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新作公開のお知らせ

というわけで、本家サイトから飛べますpixivにて新作の第一話を公開しました。

が、ぶっちゃけもう既にそれは新作とは呼べないのではないかと危惧しております。まあ、危惧するだけですが。

取り急ぎお知らせのみ―! あでゅ!
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ノーマネー・ゲーム 後編

---前回までのあらすじ

コンビニ弁当食べならが芸術鑑賞しようとしたら、先輩から合コンの誘いがありました。

---おわり


上の一行で表される辺り、豊さんのテキストは本人が泣きたくなるレベルで中身がないので注意が必要なんですが、それはそれとしてお話の続きです。別に先日のを読まなくても通じるので、読むのがめんどくさいという方はそのままどうぞ。

この寒空の下、明らかにおかしいテンションでバイクを飛ばす豊さん。合コンだって言ってるのにバイクで向かうところなんか、完全に確信犯の香りがして今となっては自分でも死にたくなるのですが、そのときはそれがジャスティスだと信じて疑わなかった。

いやだって仕方ないじゃないですか。

平均年齢が20歳代ってことは、どうやったって新婚の若奥様ですよ。まあ、近年の結婚事情を鑑みるに、新婚ではない可能性も高いんですが、別にそんなことはどうでもいい。人妻合コンという響きに軽いトラウマを持っている豊さんですが、今回はすでに年齢帯が判明している。今までのような夜の街を全力疾走で逃げ帰ることにはなるまい。これで期待しなかったら男じゃないもの。

バイクを運転しながら妄想全開。酒池肉林な世界に身を浸しながら、待ち合わせ場所のコンビニへ向かいます。

「おつかれさまっす」
「お、来たな。早かったじゃないか」
「そりゃもう…」

言いながら先輩が戻す雑誌は「素人幼妻マル秘投稿」などという大変フレキシブルなゴシック体が踊る雑誌。もうこの時点でココロオドル状態になってしまった豊さんは、自分の妄想があながち妄想では終わらないことを確信しています。

極め付けに、先輩は耳を疑うような台詞を。

「ごめんな、なんかさー四人っつったんだけど、俺の知り合いが二人キャンセルしてさ。男が俺とお前の二人しかいねーんだよ。誰か知り合いで呼べそうなやついねぇ? 金は要らないんだしさ」
「……」

みなさんに豊さんの衝撃が伝わったでしょうか。

あれですよ。4-2=2ですよね。豊さん間違ってないですよね。でですね、奥様方の方は4-0=4なんですよ。これもいいですよね。ってことはですよ。4÷2=2ですよね。そうですよね。間違っちゃないですよね? 両手に花ってことですよね? 要するに豊さんの時代ってことですよね?

確認とエクスクラメーションマークの嵐が豊さんを襲い、多少上ずった声で、

「い、いやー、休日のこの時間ですからねぇ…。みんな忙しいんじゃないですかね…?」
「そうかー。そうだよなぁ。まあ、お前は暇だったみたいだけど」
「またまたー。先輩のためなら何があったって駆けつけるに決まってるじゃないですかー」

「馬鹿め。休日暇してる人間なぞ腐るほどおるわ! だがこんな選ばれた勇者しか赴くことのできない楽園に誰が誘うか! 片腹痛いわ!」「そうね悪魔。あなたはやっと正しい選択をしたのですね…!」「フン、お前の角が取れただけじゃねぇのかよ?」「いいえ。あなたのその選択は勇気ある正しい選択だと神はおっしゃられています! さぁ踊りましょう!」

と、表面上では残念そうに苦笑いを浮かべながら、心の中で悪魔と天使が総出でマイムマイムを踊りだす状況。何がなにやら分かりませんが、とりあえず長き対決に終止符が打たれ、豊さんの中でかつてないほど団結した天使と悪魔が背中を押してくれます。

「んーまーしょうがないか。んじゃ、ちゃんと場ぁ盛り上げろよ?」
「はっはっは。任せてください」

よぉーしゃー!!!(ガッツポーズ)

今ここに! 約束された勝利が!


で、適当に話をあわせながら楽園への扉が存在する居酒屋へ。テンションなんかマックスで、傍目から見ても危ない人でしたね。だって大通りでボックス決めてる人いないでしょ。そりゃマイムマイムじゃなくてオクラホマミキサーだろ、と一人で突っ込みいれてました。先輩若干引いてた。

「いらっしゃいませー!」

ついに…! ついに来た!

「あ、○○さまですね? お連れの方こられてますよ」

なんと! ご婦人を待たせてしまったというのか! 何たる不覚…!

「お連れ様ご案内いたしまーす!」

後悔の念に駆られらながらも、期待に胸オドル。ココロオドル。二回目だけどもうそんなの気にしない。

ところで、この日は土曜日だったんですよね。

居酒屋からしてみれば、金土なんていうのは掻き入れ時で、長時間居座る客とか本気で蹴り飛ばしたいんでしょうけど、ここの店は優しい。

「今日がお時間無制限ですので、ゆっくりしていってくださいー」

なんて言葉を満面の笑みで言うもんだからさぁ大変。そしてその店員さんが時東ぁみに似ててもう大変。やべぇ。時間無制限だと!? それはもう今夜は帰さないよ宣言ととってもいいんですよね! と本気で口をついて出そうになった。

だけれども案内された個室のドアを前にしてその言葉をぐっと飲み込む。いかん。そんな浮ついた考えではこれからお会いする若奥様たちに失礼ではないか。

確固たる決意を持って、いざ楽園へ!

「こんばんはー!」

もう、笑顔。満面の笑顔。

しかも全員かわいい。ありえない。本気で夢を見てるんじゃないかと思った。んで、このレベルで人妻かと思うとマジでやばいことになりそうだった。一瞬で…

「えと…誰、ですか?」

…あれ?

すげー冷ややかな視線で見られる豊さん。背後からひょいっと覗き込んだ先輩が、後ろで「いや、ここじゃないんですけど…」と時東ぁみに言ってる。豊さん、笑顔のまま硬直。

「も、申し訳ございません」

慌てて予約表みたいなのを確認して、どうやら間違いだったのが判明した模様。なんだ、豊さんピエロじゃないかと一瞬思ったものの、時東ぁみの可愛さと、まだ見ぬ若奥様に免じて忘れます。今の豊さんのハートをブレイクすることは、ゲイボルグでもかなうまい。

そして、ついに約束された扉の前に。一度深呼吸をする。そうだ。戦いの前には体は熱く、頭だけは常に氷のように鋭く冷静であれ。冷めやらぬ興奮を刃に変えろ。行け! そこに光を求めて!

「こんばんはー!」
「あ、こんばんはー!」

破顔一笑。二度目の笑顔はどうやら成功したようだ。今度は打てば響いて返ってくる。嗚呼、ただそれだけのことがこの身には過ぎた幸せなのだろう。そうであろう? そうでなければまたしても笑顔のまま固まっているこの身を、どう説明するというのか。

うん。あのな。すっげーの。

なんていうか、いきなりゲートオブバビロン食らった感覚? さすがギル様。パねぇ。

いやいやいやいや。分かってますよ。人の容姿について短絡的に結論を出すのはよろしくない。見た目で人を判断するのは愚かな事だと分かってます。そもそも豊さんは人の容姿をどうこう言える立場にいません。基本的にののしられる側で、人生の立ち位置は確実にピエロだといえるのも自覚しています。ですが言っておきたい。

うん。ないわ。

なんていうか、すごいレベル。最早ブスとかそういう言葉でくくることのできない未知の存在がそこにいた。しかも四体。時代が時代ならピカソが喜んでモデルにするようなレベル。もう何が、聞かれたらこれが。って答えるしか豊さんは言葉を知らない。心の中の天使と悪魔は、一瞬のうちにマイムマイムを踊ることをやめ、無言のうちにそれぞれの武器を取った。それが仮初の平和だとしてもかまわない。だが、忘れてはならない。私たちの本質は争うものであると。この世に生まれた存在そのものが、争いを生む事実。「ほら見ろおおおおおお!」「やっぱりじゃねぇかああああああ!」うるさい。

いやしかし、それ以上に驚愕な事実は、ここにいるのは人妻のみ。つまり、このピカソのモデルたちを女性として崇め奉る勇者が確実にこの世に四人存在するという真実だった。いやすごい。びっくりする。もう勇者って言うか生贄じゃんという意見には全面的に同意する。

固まった笑顔のままつりそうな首筋を強引に後ろへと向ける。その視線の先に、先輩が片手を立てながら舌を出して「ごめんね☆」ってやってた。今ならこの人を力の限り殴れると思った。

それでまあそこからは大裏目大会ですよ。

両手に花は花でもその花が食虫植物手言った方がしっくりくるような席順を割り振られ、恐る恐る席に着くと、いきなり両サイドからパワープレイ。ねぇねぇどこに住んでるのっていきなり住所割り出しとかありえない。何するつもりだ。

男の人数が少ないから、被弾率は単純に二倍。超至近距離で奇数弾を放つ敵。しかも耐久型かと思いきや、時間無制限のおまけつき。あれだね。弾幕結界の初見レベルだねこれは。なんちゅう無理ゲー?

もう合同コンパって言うか、合コン(ゴーレムコンテスト)って言った方がしっくりくるようなよく分からない集会と化してました。何しゃべったか覚えてないもの。何食べたかこれっぽっちも覚えてないもの。

しかしまだ事件は終わらないんですよ。

最早精神と時の部屋に入ったかのような時間の中で、先輩とゴーレムの一体が連れ立って部屋を抜けるという信じがたい出来事が。もう、被弾率が三倍になるとか言う事実よりもそのことの方が驚愕だった。しかし、相打ちでは意味がない。確実に一人狩ってから道連れにしなければ、負けは確定してしまうのだ。

が、その勇気は賞賛に値する。こんなところに連れてきやがってという怨念は、そのときに綺麗さっぱり消え去った。先輩。あんたやっぱり男だよ…!

そしてそのまま帰ってこないのかと思いきや、しばらくしてガラッとゴーレムが帰還。何か嫌な予感がしながらも豊さんは勤めて冷静に尋ねました。

「あれ? 先輩はどうしたんですか?」
「んー? なんか仕事でトラブルがあったらしくって、職場に戻るってさ」
「……」

ヒ、ヒエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!

ああああああの野郎逃げやがった。何が職場でトラブルだカラオケ屋のバイトがなんでトラブル対応に借り出されるんだありえねぇだろ! いいいや、今真実にありえないのは今、この、状況…!

「あーそれはしょうがないねぇ…どうする? ここも結構いたし、次の店、行く?」
「さんせー、あ、私カラオケ行きたいー!」

ヒィ! カ、カラオケだと!?

一瞬そうしてヤツの店に畳み掛けてやろうかと思ったのですが、一瞬でもゴーレム使いにならなければならない事実と、その後で密室で行われるであろうサバト、終電ナニソレオイシイノといわんばかりのパワーに押されて、その考えは吹き飛びました。

ゴクリ。

逃げるしか、ない。

四人同時攻略なんて不可能。ていうか一人でも不可能。むしろその考え自体がおぞましい。ならば逃げるしか、ない。

幸い豊さんの身分を証明する事項は何一つありません。ここでこのまま脇目を振らずに逃げたとしても、誰も責めることはできないでしょう。唯一先輩から情報がリークされることが考えられますが、後で釘を刺して置けば問題なし。先に逃げたのはヤツである。

そうと決まればチャンスをうかがって実行するだけ。狙いはカラオケに入る段になって「あ、前の店で忘れ物したんで取ってきます」…これしかない!

「さぁ行くぞー」と酒が入って最早掛け声というか雄たけびと化したゴーレム一行様は、意気揚々と近くのカラオケ屋へ。「部屋空いてますか」といった瞬間にすかさず切り込む。狙いを研ぎ澄まし、必殺の一撃を叩き込めッ!

「あ、すいません。前の店に財布忘れてきたみたいで…ちょっと取ってくるんで、先に入って置いてください」

決まった…! このタイミングなら完璧だッ!

だがしかし、勝利の余韻はそのまま敗北への序曲へとなりえることを豊は知らない。すかさず切り返された言葉の短剣は、深く豊の胸元へと刺さる。

「あ、私もケータイ忘れた。ちょっと取ってくるね」

…なん、だと…!

まさにルールブレーカー。約束されたはずの勝利はしかし、ひとつの歪な短剣によって覆された。諸行無常。盛者必衰の理をあらはす。いや、栄えてた試しないんだけどさ。

なんていっている場合じゃない。どどどどどうする! これはあれじゃないか。どうやったって集団から離脱してそのままふけちゃう二人の図じゃないか。やろうとしていたことは同じだけど一人と二人じゃ意味が違う。うわ、こっちみんな!

残るゴーレムご一行様はなにやら生暖かい目を向けているご様子。ちょまて。いや、嘘。

どうにも気まずい沈黙をたたえながら、さりとてそういった手前前の店に戻らざるを得ず、よく分からない状況で店に到着。豊さんの財布忘れは嘘なので、とりあえずケータイを、と思ったのですが、振り返って見ると彼女は完全にケータイを操作していた。

あ、これは、マズい。

そりゃね、ええ、言いますけどね。こんなシチュエーションを望んでいたわけですよ実際。これを夢見て温かい牛乳と弁当をほっぽらかしてバイクで急行してきたわけですよ。ですがね、やっぱ無理。断固無理。人間シチュエーションだけでご飯食べれない。ほら、コスプレだってなんだかんだで素材じゃない。素材の味が重要じゃない。

そういう意味で言ったら、目の前のは土だからね。ゴーレム主原料は土だからね。大地の恵みとかそういうレベルじゃない。

もうその事実が頭を支配しちゃって、向こうは向こうで、「言わなくても分かってんだろ」的な空気出してるし、言わなくても分かるんだけどそれゆえに今僕は恐怖の渦に飲み込まれようとしている。

「…ちょっとトイレいってくるから、先に店出て待っててよ」
「分かった。早くね」

もう視線で麻痺するんじゃないかと思うんですが、こうなれば手段を選んでられません。このままホテル行くぐらいだったら舌噛み切って死んでやるといわんばかりの勢いで、店員さんに頭下げて裏口から店を出ました。

終電間近。

ネオンが光る町を走り抜ける男の姿が、そこにあった。


タダだから…最初はただそれだけの理由だったはず。

それに耳を貸したが最後、泥沼のように事態は進んでいってしまう。

人妻合コンという言葉に、またひとつトラウマを負った夜でした。


…あ、あとヤツはこの後カラオケ屋にいないことが発覚し、ひどい目を見たそうです。





ノーマネー・ゲーム 前編

世の中には、無料が溢れている。

一昔前までは考えられなかったような無料。街を歩けば試供品と言いつつもまんま製品のバーコードのところに「試供品」と書かれた商品をもらえたり、観光地へは無料のバスが送迎されたり、この世の中無料で溢れている。

特にそれが顕著なのがインターネットだろう。通信料とプロバイダ料を払えば、そこはもう無料の宝庫だ。お試しとか何とかいって、アニメ一本丸々見ることだってできる。

だが、昔の人はいった。「タダより高いものはない」と。

無料には無料なりの意味があると言うことだ。広告の意味合いだったり、もっと直接的に言えば金づるになると思って、あえて最初の部分だけを公開していたりするのだ。

もちろんそれはマーケティング戦略において実に有効な手段であり、これっぽっちも非難するつもりはない。むしろ社会人として、自分がそのマーケティングの一端を担っていると言う自覚もある。

先日こんなことがありました。

いつものように豊さんはゴキゲンに「エキセントリック少年ボウイのテーマ」を口ずさみながら、コンビニに向かっていました。今日はあったかい牛乳の発売日です。そりゃゴキゲンにもなるってもんですよね。

今月のあったかい牛乳は、もう柔軟とかそういうレベルじゃない格好を決めた頭のネジが1本ぐらいしか残ってないようなステキなお姉さんが表紙だったのですが、もう見ただけで購入決定。すかさずキープ。もう買い物カゴに最初に入るのがエロ本とかファニー過ぎる。

一瞬世の中を儚みそうになりましたが、それはそれ。気づかなければ俺の世界は俺のものだと言わんばかりのポジティブシンキングで、妙に広い田舎のコンビニを闊歩しながら、ヒキコモリ用の装備を整えていきます。

で、ちょっと前ぐらいから、コンビニで冷凍食品がアツイなんていう話を聞くようになったじゃないですか。

冷凍食品なのにアツイとはこれいかにと上手いこと言った風な豊さんは、麻酔銃で撃たれればいいと思うのですがそれはそれとして、100円でびっくりするようなレベルの冷凍食品が手に入るんですよ。

街中のコンビニとかはあんまり種類置いてなかったりするんですけど、豊さんの住んでるような政令指定都市のクセに、ド田舎にある、無駄に駐車場が広いようなコンビニには、一人暮らしの単身者が多いのか、それともただ単に置く物がなくて置いてるのか分かりませんが、結構な種類の冷凍食品があるんですよ。

枝豆に始まり、餃子、チャーハン、ラーメン、ビザ、グラタン、と、ちょっと手間のかかる料理を一人分づつ、しかも100円で提供。こりゃ利用しない手はない。

豊さんは基本的に家庭的で優しくピュアな男性なので、時折手作りの弁当を持っていったりします。一時期、あまりに懲りすぎて「彼女の?」と聞かれてブロークンハートしてからは、比較的あっさり目の弁当を作るように心がけています。まあ、ぶっちゃけ気まぐれなので、帰宅したその時のテンションに大きく左右されるわけですよ。

そうなると、常に大量のおかずを作っておくわけにはいかない。必然的に冷凍食品に頼りがちになるんですが、これは結構使える。別に弁当のおかずにしなくても、ビールのおつまみに最適。ちょっとウチ飲みするときに最適なのですよ。

と言うわけで、このコンビニの冷凍食品、豊さんの対外的なイメージアップも狙え、その使い勝手の良さもあいまって、結構ヘビロテしてるんですよね。もうウチの冷凍庫をフルに使って囲ってる状態。そろそろ冷凍食品の精とか出てきて、豊さんに恩返ししてくれるんじゃないかと言う期待に胸を膨らませている次第です。いたよね昔。あ、でもあれは冷蔵庫の擬人化か。

最早残念とかそういうレベルではない妄想に身をゆだねている豊さんですが、まあ、そんなこんなで冷凍食品とエロ本と弁当とお菓子とエロ本買って帰ったんですよ。あれ。なんか今二つなかった?

それでおもむろに弁当を取り出しつつ、あの忌々しいブルーの二つのシールをめくろうとしたところで、携帯がなるんですね。

こちとらこれから弁当食べながら芸術鑑賞しようという所なのに、邪魔するとは何事か。時代が時代なら出会い頭に一刀両断。有無を言わさず切り捨てるところなのですが、液晶に表示されているのはどこをどうやっても勝てそうにない大学時代の先輩の名前。ブッチなぞしようものなら、ハーレーでひき殺される事請け合いの危険人物の名前が。

「…もしもし」
「おう、これから合コンな。今すぐ集合。んじゃ(ガチャ)」
「は、え、ちょ…」

開口一番用件のみ。こちら側の是非を聞く暇すら与えず、しかも返答を無視して一方的にガチャ切り。意見なんて認めない。絶対服従の図と、恐怖政治の縮図がそこにはありました。ていうかありえなくね? さすがの豊さんも固まったわ。

で、集合と言いつつ集合場所も行ってないので、もう行かなくてもいいかなーと思ったんですが、さすがにそれはまずい。どれくらいまずいかと言われれば今年の正月に妹が作った雑煮ぐらいまずい。もう今年は一ヵ月半しか残っていないと言うのに、あの衝撃が忘れられない。意気揚々と飲み込んだモチを胃が拒否して、のどに詰まりそうになったもの。

仕方なく折り返し電話して詳細を聞くと、どうも悪い話じゃないっぽい。

若奥様中心の人妻合コン。いくら豊さんが変態紳士でロリコンだとしても、人の道を外れたらいけません。据え膳は食わねばなりません。

たぶんそのときの豊さんの顔を見たら、子供は泣き出し、老人は気絶し、警官が見ればその場で現行犯逮捕されるような顔だったと思うんですが、それはそれとして仕方なく行くしかない。先輩の命令は絶対です。悲しき縦社会。下々苦労はいつも上には伝わらないのです。事件は会議室で起きてるんじゃない。今から居酒屋で起きるのだ。

というわけで、弁当を冷蔵庫へ放り込み、青いビニールをはがすのを泣く泣く断念し、シャワー浴びて着替えて出発と相成りました。

果たしてそこに待つものとは一体!

ちょっと長くなったので次回に続きます。

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